この記事は
「副業がバレない方法を知りたい」
「副業がバレてないけど大丈夫?」 「副業にどんなリスクがある?」 「副業がバレる仕組みを知りたい」 |
という人に向けて記事を作成しています。
こんにちは、かれこれ経理や税務関係の仕事が長いロンです。
よくネットの記事なんかで、「OOすれば副業はバレない」とか、「OOという副業なら絶対に会社にバレない」といううさんくさい記事をよく見かけます。
その度に「どっかからコピペしてきたんだろうなー」って思ったり、「これ脱税じゃね?」みたいなことをよくみかけます。
改行して、赤字で大き目にはっきり言っておきますね。
気を付けて下さい、あなたの副業がバレないのは運がいいだけですよ。
そんな会社に隠れて副業をしている人のために、なぜ会社にバレるのか、実は脱税になってしまう副業の隠し方について、わかりやすく解説していこうと思います。
目次
前提として知ってもらいたいこと
まず副業がバレると言いますが、誰にバレるかも重要です。
具体的に言うと
- 国(税務署)や地方自治体にバレるケース
- 会社にバレるケース
があります。
人によって「税金が払いたくないから国にバレたくない」という脱税思考の人や、「税金は払うけど副業を禁止されているから会社にバレたくない」という人まで、誰にバレたくないかはさまざまです。
そしてあなたが収入を得ている状況ごとに、最初にバレる相手がかわってきます。
さらに先手をうって手続きをおろそかにしていると《国→地方→会社》という順番で情報が流れてしまい、「税金を全然払うのに、バレる予定じゃない会社にまでバレてしまった…」という悲しいケースって結構あります。
なのでまず「誰にバレたくないのか」をしっかり自分で考えてから記事を読んでくださいね。
国→地方→会社の順番にバレる理由
ちょっと専門的なお話になるので、「そうなんだー」くらいで読み進めて下さい。
あまり意識したことがないかもしれませんが、
- 所得税⇒国に納付する
- 住民税⇒地方に納付する
という違いがあります。
ただ計算がすごく似ているので、所得税も住民税も確定申告を基に計算しています。
確定申告書は国に提出するものですが、その後《国⇒地方》に収入の情報が流れる仕組みになっています。
そしてやっかいなのが、住民税は会社に所属している場合、本人ではなく会社が従業員から住民税を徴収して、代わりに納めるという仕組みをとっていること。
つまり住民税が決定した場合、《地方⇒会社 》に情報が流れるというわけです。
なので、《国にバレる⇒地方にバレる⇒会社にバレる》という流れになるんです。
でもこの《地方⇒会社》は、ちゃんとした確定申告の手順を踏めばストップすることも可能ですし、「副業してるよー」って伝えるものではないので、新人やのほほんとした人が経理している場合、副業を見逃すこともよくあります。
副業が少額であればバレないという嘘
よくあるのが「副業が少額であればバレないよ」というもの。
今のデータ化の時代、多くの人の副業の収入などほぼ国にはバレています。そして今後マイナンバーが導入されたことでより把握されやすくなるでしょう。
と言うのも、国(税務署)は会社に「どこの誰になんの目的でいくら支払ったか」という調査をしっかり行っており、これをちゃんと答えられない会社には多くの税金が課せられますし、大きい企業であればあるほど徹底されています。
ただ細かい情報が多く、実態の調査にさくことができる人員には限りがあるので、影響が大きい(つまり隠している収入が大きい)人から調査していて、見逃されているということがほとんどです。
ただ低いから必ず見逃されるというわけでもなく、たまーに見せしめ的に吊るし上げをくらう場合があります。
イメージとしてはスピード違反に似ているなとよく思います、「スピード違反をした人全員は捕まえられないけど、何人かはつかまえておこう」というわけですね。
なので少額だから副業がバレないというのは嘘で、見逃してもらってるが正しいです。
ちなみに給料として副業の収入を得ている場合は例え少額であっても国⇒地方⇒会社という流れで副業がバレる可能性がかなり高くなります。
もしそれでバレていない場合、「副業の雇用主がちゃんと税金の手続きをしていない」か「本業の経理の人が見逃してる(見抜けていない)」のどちらかです。
なので会社に副業がバレたくない人にはかなり危険な状態ではあるので、注意してくださいね。
ちなみに残酷なようですが、副業を給料でもらってる場合、確定申告をしても副業はバレてしまうことがほとんどなので、あきらめるしかほぼ方法がないと思った方がいいですね。
確定申告が不要だから副業がバレないという嘘
「副業の所得(もうけ)が20万円以下だと確定申告が必要ないからバレないですよ」なんてことを言っている人もいますが、これも真っ赤な嘘です。
ただこれはバレない確率は確かに高めではありますが、なぜバレていないのか知っておくと便利かも。
確定申告が不要な根拠
副業の所得が20万円以下の場合確定申告が必要ない根拠は恐らく
国税局のサイトにある「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」の
「ある1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人」
(出典:給与所得者で確定申告が必要な人)
から反対に考えているんだと思います。
ややこしい書き方なので要約すると
「会社から給料や退職金をもらった人は、その他の収入があったとしても、もうけが20万円以下なら確定申告しなくてええんやで」
ということです。
それでも確定申告は必要
「お、じゃあもうけが20万以下なら確定申告しなくていいだな」と思ったあなた、その通りです。
ただしこれは国に確定申告をする必要がないだけで、ほとんどの場合、地方自治体には確定申告をする必要があります。
これの具体的な根拠は、同じく国税局のサイトの「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A」の(2)の注意書きに
所得税及び復興特別所得税の確定申告の必要がない場合であっても、住民税の申告が必要な場合があります。
とあり、例えば東京都練馬区のサイトを確認してみると、「給料や年金以外で住民税が発生する場合は申告してね」となっています。
<余談>
東京都練馬区で確定申告が必要な根拠は量が多いので省略します。根拠を知りたいって人は次のリンクを読むといいですよ。(練馬区の公式ホームページです)
ちなみに国の確定申告をした場合、あわせて地方自治体にも送られるので住民税の確定申告をする必要はありません。
でも実はスルーされることが多い
ただ住民税の申告は、
- 地方自治体が税務調査をそれほどやっていない
- 金額が小さい
などが理由なのか、申告漏れをしている人がわりといるはずなのに、あとから住民税の請求があったという話はあまり聞きません。
そのためもうけが20万未満でも絶対副業がバレないわけじゃないけど、確定申告をしていなければそもそも見つけることが難しく、結果バレていない状態っていうのはわりとあると思います。
隠れてお金をもらっているからバレないという嘘
もはや不法行為ですが、これもたまに見かけるので注意をしておくと
「うちは確定申告とかしてないところだから、うちで副業してもバレないよ」なんて小さな飲食店があったりしますが、そこに税務調査が入ると芋づる式にバレます。
しかもその場合、調査官にもよりますが懲罰的な意味合いも兼ねて根こそぎキレイにする傾向をがありかなり危険です。
確かに調査がくるまで国は副業している人をほぼ把握できません、給料や収入が現金手渡しならなおさらです。でも税務署がきたらほぼ終わりなので副業がバレるとまずい人は注意してください。
普通徴収も絶対安全ではない
住民税の徴収方法を「普通徴収」にすると副業がバレないよ、という解説もよく見かけます。
普通徴収とは、副業の収入が給与や年金以外で確定申告をちゃんとしたときに、確定申告書の2ページ目の下のあたりにある住民税の徴収方法の欄の「自分で納付」に〇をつけると、副業分の住民税の通知が自宅にきて、給料とは別にして税金を納めることができるという制度のことです。
確かに確定申告をちゃんとして、普通徴収にすればほぼ国や地方自治体から会社に通知がいって副業がバレるってことはありません。
ただ自治体の手続きミスで、普通徴収にならずにそのまま会社に通知がいってしまい、会社に副業がバレてしまったという人をみたことがあるので、これも確実な方法ではないんだなと思います。
もんくを言いたくもなるかもしれませんが、役所も謝ってはくれても責任はとってくれません。
自分が記入ミスをする場合もあるでしょうし、人間がやることですから「完全にリスクを回避する方法はないんだな」とそのときに痛感しました。
その他、副業がバレたケース
税金以外で副業がバレたケースであれば、
- お金の使い方の変化
- 社会保険でバレる
- ネットで名前や住所をググられる(検索される)
- うわさ話で知れる
などなど、思わぬところでバレるケースがあります。
会社に副業がバレないために、わざわざ会社を作ったものの、自分の作った会社の社会保険に加入して副業がバレた人など、努力の末に結局ばれるという悲しい例は結構見てきました。
あとなぜか副業をしている人を見つけることにすごく正義感を燃やす人につかまる、逆恨みされるなどで会社に匿名でリークされるなんてケースも…
ほんと副業ってどこでバレるかわからないって思います。
副業がバレることのリスク
最後に副業がバレるリスクについて知っておくと便利です。
ざくっと最初にまとめておくと
- ほぼほどの副業ならまずクビにはならない
- 昇進や昇給はストップするかも
なことが多いです。
あなたが公務員などの公的な職業でなく、副業によって本業の仕事をおろそかにしていなければ、副業を理由に仕事をやめさせることを会社はできません。(過去の裁判例を参考にするなら「小川建設事件」と「都タクシー事件」とググるとでてきます。)
もしあなたが本業に迷惑をかけていない副業でクビになった場合、不当解雇として会社と裁判をすれば勝てる可能性はあります。(裁判をおこす前に労働基準監督署で相談がおすすめ)
ただし副業を理由に、会社内での昇進などにストップがかかるのは不当なものではないので、辞めさせられることはなくとも不利益をこうむる可能性はあります。
まとめ
副業がバレない方法はない、ということについてまとめてきましたがいかがだったでしょうか。
ここにあげた副業がバレる仕組みはあくまで一例で、国(税務署)っていったいどこから情報仕入れてるんだろうってくらいにどこからか副業を嗅ぎつけてきます。
なので会社に副業を隠すのは各人の判断として、確定申告だけはきっちりするようにしましょうね。
今回の内容でお伝えしたかったことは
- 副業が絶対にバレない方法はない
- でも副業のバレやすさは調整が可能
- バレたときのリスクや対処法は考えておこう
という3点です。
中でも実は危ない橋を渡っていることを知らなかった人は、早めにリスク回避の準備をはじめることをおすすめします。
またわかりにくい点や知りたいことなどあれば気軽にコメント欄からご質問下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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